まず「いまの状態」と「期間の成果」を分ける
小さな文具店を始める場面を考えましょう。手元のお金や銀行預金は資産、銀行から借りて後で返すお金は負債です。
資産から負債を差し引いた残りが純資産。会社に出資された元手は、純資産のうち資本金として記録します。
一方、商品を売って得た売上は収益、お店を借りるための支払家賃は費用です。
| 要素 | 意味 | 勘定科目の例 |
|---|---|---|
| 資産 | お金や、将来お金を受け取れる権利など | 現金・普通預金・売掛金 |
| 負債 | 将来お金を支払う義務など | 借入金・買掛金 |
| 純資産 | 資産から負債を差し引いた部分 | 資本金 |
| 収益 | 利益を増やす原因 | 売上・受取利息 |
| 費用 | 利益を減らす原因 | 支払家賃・通信費 |
現金が増えても、利益が出たとは限らない
銀行から10万円を借りると、現金は10万円増えます。同時に返済義務も10万円増えるため、借入れ自体で利益は増えません。
逆に、家賃を払えば現金が減り、費用が発生します。「お金の出入り」と「もうけ」を分けて考えるのが簿記の出発点です。
2つの式で全体像をつかむ
ある時点の状態は「資産=負債+純資産」、一定期間の成果は「利益=収益−費用」で捉えます。前者を示すのが貸借対照表、後者を示すのが損益計算書です。
この講座では、各取引を記録する仕訳から順に学びます。貸借対照表・損益計算書の作成全体は初回講座の範囲外です。